一体何の呪文を詠唱しているのかは分からない。
ならば先制攻撃を加え、牽制しつつ近づく方が安全だろう。
そう思った私は、軽く弾幕を展開した。

しかし、さすがは魔女といったところだろうか。
静かに弾幕を展開したつもりだったがすぐさま気づかれてしまった。
パチュリーは呪文の詠唱を一旦中断し、またすぐに呪文を唱え始めた。
おそらく今まで詠唱中だった呪文は攻撃用ではなかったのだろう。
素直に話しかければよかったかもしれない。

しかし今はそんなことを考えている場合ではない。
相手も攻撃態勢に入った以上、牽制するようなつもりではこちらがやられる。
私は精神を集中し、出現した大きな炎の剣をその手につかむ。
そして、一気に叩っ切る。
しかし敵もさる者、強大な魔力で攻撃と防御を両立している。
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そんな攻防を数分間続けただろうか。
実力は互角でも体力では私に分があったようだ。
パチュリーに疲労が見えたところで勝敗を決する一手を叩き込んだ。

戦いの後に残ったのは静寂。
パチュリーは完全に気絶している。
私は勝利の味に酔いしれ…ている場合ではなかった。

ふと、何をしにきたのかを思い出す。
階段を上がって以来聞こえている音を止めてもらうためだ。
お姉様の真似をしてここまで来たんだった。
このままでは音を止めてもらうことができない。

そこで私は

  • あきらめて引き返す

  • パチュリーを揺さぶる