私は勇気を出して玄関の扉を開けた。
そこには私の知らない世界が広がっていた。

確かに知らない世界は広がっていた。
しかし…その世界はあまりにも不快なものだった。
不快感を引き起こす原因となっている物は次々と空から降ってくる。
少々の後、私は耐えられなくなり再び家の中へと入った。

そうだ、この音だ。
家中に音が響いている。
この音が鳴っている時、お姉様は家の外に出られなくなると言っていた。
どうやらそれは私にも当てはまるようだ。

そして、この音は空から降ってくる水が引き起こしているものだったのだ。
吸血鬼は流れる水を渡れない。
いつか聞いたことがあるこの言葉を今さらながらに思い出した…。

私が落ち込んでいると後ろから声がした。
「何か元気がないわね。 大丈夫?」

…お姉様だ。
最近留守にしがちだったけど、この状況なら今日は家にいるだろう。
そう思った私は意地悪にもこう答えた。

「大丈夫じゃないよ…。
 だから…。
 今日は一日一緒に遊んでくれる?」

お姉様は優しい声でこう答えた。
「ふふっ。 いいわよ。」



Ending No.4   ─急がば回れ─
レミリア「時間ってのは足りないと思うと短かく感じるものよ。」

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