ここが外の世界なのか。
そこでは家の中とはあらゆる物が違っていた。
空気が流れていること。
緑にあふれていること。
光に満ちていること。
普段から外にいる人が見れば当然のことかもしれない。
私にとっては、そんな他愛もないことですら全てが新鮮だった。
いや、光に関しては一度それで体調不良を引き起こしてもいるけれど。
しかし、直接当たりさえしなければその光も間違いなく心地よいものだった。
この世界は私の心の中に溜まった黒いものを洗い流してくれるような気さえした。
こんな晴れ晴れとした気分になったのはいつ以来だろう。
思えば、家の中では大半の者から厄介者を見るような目で見られていた。
事実、厄介者だったのだろう。
そして、その度が過ぎたから外へ出してもらえなくなったのだ。
あまりにも危険すぎるから。
しかし、実際に出てみればどうだろう。
暴れようなどという気がまったく起こらない。
この姿を見せれば厄介者扱いされなくなるかと言えばそんなことはないだろう。
イメージを変えるというのは相当の労力を要する。
でも…。でもお姉様なら信じてくれるかもしれない。
そうすれば今度からは頼めば外へ出してもらえるようになるかもしれない。
まぁ、いいや。
そんなことは今はどうでもいい。
今は、この世界を存分に楽しむことにしよう。
そう思わせる何かがここには確かにあるのだから。
さて、手始めにこの前の人間のところにでも行ってみるか。
そう思うと私は軽やかに歩を進め始めた。
Ending No.7 ─環境の重要性─
──フランドールは新たな一歩を確実に踏み出した
──環境の影響力は想像以上に大きい
──今後どのように変貌を遂げるか、これもやはりその時々の環境によるのだろう
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