ここまで出てくれば誰かと鉢合わせする確率も高い。
そこで、私は誰かが来ることを警戒しながら進むことにした。

そして…
案の定、正面から誰かがやってきたようだ。

私は慌ててどこかに隠れようとした。
しかし、ここはまっすぐな通路の真ん中。
隠れる場所などあるはずもない。

ならば…
なぎ倒してでも先に進むまで。
そう思って前を見た私は肩を落とした。

だめだ…それはできない。
なぜなら、正面から近づいてくるのはお姉様だったのだから。

お姉様は私のところまで来るとこう聞いてきた。
「こんなところで何をやっているの?」

無視するわけにもいかず、私はこう答えた。

  • 「別に。何もしてないよ?」

  • 「ちょっと家の外に出てみたくなって。」